事後対策を考える ~災害が起こった その後に~

未曾有の自然災害であった東日本大震災の経験に裏付けされる「事後対策」の重要性をいま、伝えたい

東日本大震災 2011.3.11

死者19,074 行方不明者2,633 負傷者6,219

背景写真出典:(財)消防科学総合センター http://www.isad.or.jp/

事後対策の必要性について


あの未曾有の大震災により・・・
被災した人数は想像をはるかに超えたばかりではなく、戻れる場所を失った人たちがあまりにも多かった。
想定していた避難所は被災した人たちで溢れ、いつ「日常」を取り戻すことができるかわからないまま、避難生活に入っていったのです。

「日常」の生活環境にはプライバシーがあったが、そこには無かった。子供達への教育環境もいち早く「日常」を取り戻さなければならいはずなのに失った物が多かった…。それらへの準備が少なすぎた…。

私たちができることを懸命に模索しました。いや、この大震災が起きる前から私たちには「事後対策への準備」があったのです。事実、想像を超える需要がありました。避難所のパーティションから始まり、臨時教室や仮設校舎で使用した強化ダンボール製のロッカーをはじめとした教室資材(家具)、仮設住宅の収納棚やベッドなど多岐にわたりました。

知っていれば救われた、または「日常」に少しでも早く近づけたはずだと経験を踏まえ確信しています。
人の命を守ることの次には、いち早く「日常」を取り戻すこと(近づくこと)…
そのためには『事後対策の事前準備』が必要だと信じてやみません。

私共トライウォール社は3層構造の特殊ダンボール「トライウォールパック」の特性をいかし、重量物/輸出包装改善から総合的な物流改革に至るまで、40年に渡る実績がございます。 トライウォールパックは紙素材でありながら、耐水性・強靭性に優れており、過酷な物流上の環境変化に適応できる特徴を有しております。また、紙素材であるが故に、自由な包装設計が可能となり、包装資材費の低減・輸送効率の向上・梱包/開梱作業の軽減、また環境面においてはリサイクルが可能であることと、鉄・木材・プラスチックと比較しCO2を大幅に削減することができます。
優れた性能をもったトライウォールパックと、価値分析による物流改革提案を行うコンサルテーション、これらハードとソフトの機能を、より高品質・より安心・よりグローバルに貢献するために、世界各国にファブリケーター(代理店:製造販売・サービス)網を展開しております。現在では中国・タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・インド・EUなど90拠点を有しており、世界各国どこへでも1ケースから同品質・同サービスで提供できる体制を構築しています。

 また、トライウォールパックの軽量かつ強靭・加工性に優れ・組立・折畳みが容易などの特性から、パッケージ以外の分野にも開発が進んでおり、コフィン(棺桶)・POP・カードボード分野は新たな貢献が果たせるものと期待しております。
トライウォールグループは毎年6月にモンゴルへ植林を行っておりますが、今後としましては、トライウォール事業を通してより環境負荷低減を実現できる体制をグローバルに推進したいと思います。

仙台市の英断(製品の依頼から納品まで)

2011年4月上旬 仙台市よりトライウォールジャパン社を通し、被災した学校が各所に間借りしている臨時教室用のロッカーや間仕切り、下駄箱についての問い合わせがありました。 その話を受けて、4月中旬にトライウォールジャパン社と仙台市内の事務機器会社の担当者様と仙台市に打ち合わせを行いました。 そしてサンプル品(棚)を持ち込んだところ、非常に好感を持っていただき、その翌日に学校の先生方のご意見や意向調査を実施しました。

さらにその翌日にはロッカー1台を納品。
その後仙台市の11校15か所に依頼をいただいた仕様で相当数の製品を納入させていただきました。

時期を同じくして石巻市へもこの情報を伝え、少し遅れて5月中旬より石巻市内の被災した学校へも同様の取り組みを展開しました。
これにより、石巻市内は14校分として32回に渡り納入設置作業を行うことになりました。

翌年3月には仙台市内にも10校の仮設校舎が完成し、そのほとんどの教室のテーブル、ロッカー、収納ボックス、背面パネルなどを納入することになりました。
製作開始からから納入完了まで1ヶ月。2台のマシンがフル稼働で製造を行い、学校の春休みの期間内ですべて完了させることができました。
*上記のほか釜石市内の5校からも依頼をいただき2011年6月に対応。

必要数の調査と提案、仙台市担当課との折衝は仙台市内の事務機会社が仕切り、弊社は設置場所の採寸から製品の開発と製造、納品を担当させていただきました。
仙台市のこの取り組みは『教育環境のいち早い回復と整備、子供たちの授業の遅れが極力生じないための最大級の英断』であったと言えます。

環境負荷の低い資材で最低限の役割を果たし、費用の圧縮と工期短縮が同時に可能になり最大限の効果を発揮したものだと思われます。

事後対策事例

  • 強化ダンボール製の棺 ―「D-棺」

    3層強化ダンボールを使用し、専用のメタルファスナーで組み立てます。
    未使用時はコンパクトに折り畳むことができ、「フタ」部分に本体部分が全て収納されるようになります。 長期の保管も可能で、総重量は15㎏程なので任意の場所に持ち出すことも容易です。体重が90㎏までの方に使用可能です。

    寸法:1900x400x500H *寸法は自由にご指定いただけます

    震災後の落ち着きを取り戻しつつあった時期に「これがあったら…」という声を聞き、製品化しました(実際に使用されたものではありませんでした)。

  • 強化ダンボール製の臨時保健室

    震災時に被災した小学校が他の施設や学校を間借りした際に「保健室」がないということで依頼され、2日後には希望の場所に設置した製品です。
    「子供たちが逃げ込める場所」「個別の相談や心の悩みを話せる場所」としての役割がある、と学校の先生方。心のケアの場所としても活用されました。

    決まった寸法や規格があるものではなく、要望に応じて寸法や仕様を決定し即座に対応した実例です。

  • 強化ダンボール製のロッカー・収納ボックス
    (他、教室資材やシューズロッカー)

    被災した学校の臨時教室や、のちに建設された仮設校舎に利用されました。
    基本的なデザインは、小学校で使用するランドセルと楽器、書類箱を一緒に収納できる物としましたが、各学校や先生方のご要望に、また教室の寸法に合わせて個別のカスタマイズもおこないました。
    写真は引き出し付きの収納にしたいという要望から、強化ダンボール製のボックスがセットになった収納棚です。いろんな不自由や困難がある環境下でもありましたので「少しでも笑顔を…」という想いを込めた引き手穴のデザインにしました。

  • 強化ダンボール製の避難所用パーティション ―「L字型SSパネル」

    震災直後の石巻市内の避難所に約2,000人分配布したものです。
    広げた基本的な形は「L字型」で、寸法は1000x1000x1000Hになります。
    1人用から大家族用までフレキシブルに間仕切ることができ、避難所に詰めかけた後でも個別に必要な場所に設置することができることを基本的な考えとして、尚且つ一番シンプルな形状で製作しました。
    プライバシーの保護に重きを置くのか、それともコミュニティーの形成を大切にするのかによって避難所ごとにそれぞれの考え方が展開されたことも記憶に新しいことであり、両立させることも今後の課題であると認識しました。

ダウンロード(会員様限定)

事後対策用トライウォールダンボール製品のCADデータや製品画像、製品パンフレットデータなどをオープンデータ化してダウンロード提供いたします。
ダウンロードは無償で行うことができますが、災害時に人命を左右することもある製品の特性上、匿名でのダウンロードはご遠慮いただいております。かならず、事前に会員登録をしていただき、登録完了メールに記載されているID/パスワードを使用して、はじめてご利用になれます。

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